ふたつの世界大戦に挟まれた1920年代のパリ。それは様々な才能がジャンルを超えて交錯し、類まれな果実を生み出した、奇跡のような空間でした。ともに1883年に生まれたマリー・ローランサンとココ・シャネルの二人は、その自由な時代を生きる女性たちの代表ともいえる存在です。パステルカラーの優美な女性像で人気を博したローランサンと、男性服の素材やスポーツウェアを女性服に取り入れたシャネル。本展では二人の活躍を軸に、ポール・ポワレ、ジャン・コクトー、マン・レイ、ジャンヌ・ランバンなど、時代を彩った人々との関係にも触れながら、美術とファッションがそれぞれの境界を越えてダイナミックに展開していく様子を辿ります。オランジュリー美術館やポンピドゥー・センター、マリー・ローランサン美術館など国内外のコレクションから、約90点の出品作品でご紹介します。
Marie Laurencin マリー・ローランサン
パリ生まれ。ピカソやブラックとの交流から、初期にはキュビスムの影響が色濃い作風であったが、後にパステル調の淡い色調と優美なフォルムが特徴の作風に。絵画制作のみならず、舞台美術や室内装飾、本の挿絵も手がけた。
マリー・ローランサン
《黒いマンテラをかぶったグールゴー男爵夫人の肖像》
1923年頃 油彩/キャンヴァス パリ、ポンピドゥー・センター
Photo © Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-Grand Palais / image Centre Pompidou, MNAM-CCI / distributed by AMF
マリー・ローランサン
《ピンクのコートを着たグールゴー男爵夫人の肖像》
1923年頃 油彩/キャンヴァス パリ、ポンピドゥー・センター
Photo © Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-Grand Palais / image Centre Pompidou, MNAM-CCI / distributed by AMF
マリー・ローランサン
《ヴァランティーヌ・テシエの肖像》
1933年 油彩/キャンヴァス ポーラ美術館
ガブリエル・シャネル
《帽子》
1910年代 神戸ファッション美術館
ポール・ポワレ
《カフタン・コート「イスファハン」》
1908年 島根県立石見美術館