信長の小姓「蘭丸」は3人いた!?
企画展の記事じゃなかったんかぁーーーい!!小袖の話と違うんかぁーーーい!!
と思われた方には申し訳ありません。落語の枕だと思っておつきあいください。
信長の小姓を勤めた蘭丸といえば、美少年「森蘭丸」をイメージされる方も多いとは思いますが、実は、彼の本名は森成利(もりなりとし)。では、なぜ森蘭丸、へたをすると蘭丸、乱法師などと呼ばれているのか?実は、「蘭丸」というのは、安土桃山時代の役職の名前だったのです。いわゆる「秘書」的なお役目だっとということです。
信長くらいの武将になると秘書も1人では足りなくて、3人いたといわれています。森蘭丸以外に、伊藤蘭丸と早川蘭丸がいたのですが、この伊藤蘭丸祐道(すけみち)は、財務面を担当していて清洲城に残っていたため、本能寺では殉職せずに済んだということなのです。彼は、信長の死後、他の主君には仕えず商いをはじめ、後世に大きな百貨店の礎を残すことになります。
はい、はい、もうわかりましたね。
この伊藤蘭丸祐道こそが、後の松坂屋の前身となる「いとう呉服店」を創った祐基の父です。いわゆる松坂屋の元祖なんですね。
そんな創業400年もの歴史のある松坂屋さんが、大切に収蔵している品を企画展として展示公開してくれています。蘭丸の子孫のお宝といわれると、思わず見たくなりますよね。しかも、入場無料です!!!
松坂屋コレクションvol.39『小袖の模様〜名所風景』
今回の企画展は、江戸中期に起こった一大観光ブーム(伊勢参りや富士講など)に端を発し、日本全国の名所風景を、その当時オシャレ着として愛用されていた小袖の模様として描かれた作品を展示するもの。
現代で言うところの、バスキアやキースへリングのデザインTシャツとか、くまもんパーカーみたいなものでしょうか?(いや、違うだろ!!)
いわゆる、江戸時代の小粋なオシャレアイテムだった小袖の企画展・・・といいたいところですが、その当時は写真も印刷技術もない中で、いかに、この名所風景を描くかという技術の結晶といえる作品。友禅染の技法、糸目糊・色挿しなどを駆使して描かれた名所風景は、現代人の目にも美しくも艶やかに見えるはずです。
江戸時代の小袖の見本帖である「雛形本」も展示されています。開催期間も、あと1ヶ月を切りましたので、興味のある方は、早めに来館されることをお薦めします。
あなたも、伝統の小袖めぐりをしながら、日本の名所を堪能してみるのはいかがですか?芸術の秋でもあることだし。
【イベント名】 松坂屋コレクションvol.39
小袖の模様〜名所風景
【会場】 松坂屋南館7階 松坂屋史料室
【開催日程】 8/30(金)~11/25(月)
【開催時間】 10:00~20:00
【料金】 入場無料
【展示企画】 一般財団法人 J.フロントリテイリング史料館